2013年10月11日金曜日

岩手山登山 in 2013夏 登り 御神坂登山道編

夏休み中はぜんぜん更新できなくて申し訳ありませんでした。

実はあの記事を書いた後に家のメインパソコンが壊れてしまい、さらにノートパソコンのファンが

イカれてしまうという状態になり更新できない状況になりました。


今年の夏休みはまた岩手山に登ってきました!

去年とは違って日帰り登山です。しかも短独行です。ぼっちです。

今回のルートは登りは御神坂ルートで下りは鬼ヶ城縦走~黒倉山~姥倉山~犬倉山~網張

という岩手山二代鬼畜ルートを制覇するようなものになりました。ドMです。


御神坂ルートとは?
 信仰登山が盛んだったころからある歴史のある登山道。昔から登られていたからと言っても登りやすいコースではない。むしろ縦走無しで直接登るコースでは最難関といってもいいコース。とにかく急な斜面を登り続ける。途中には崩落した岩場を通る必要もありなかなか危ないことになっている。

鬼ヶ城とは?
 岩手山頂上からすぐ西にある岩が目立つ尾根のこと。岩手山付近だと唯一大きな岩の多い場所を歩くことになる。北アルプスと比べるとどうということも無いが、なかなか怖い。

岩手山~網張縦走について
 とにかく長い。特に網張スキー場のリフトの開始時間が遅いので往復する人は常に時間との戦いになる。任意で犬倉山、姥倉山、黒倉山にも登れるがそこまでやる人は少ない模様。リフトで標高を稼げるからと大して調べていない県外の登山者がよくだまされる。



実は、この二つのルートには共通点がありどちらも盛岡駅からバスで楽に行けるのでいわゆる

"百名山ハンター"が登って後悔するコースです。



今回はそんなコースを制覇していきます。


では、そのときのことを前日から振り返っていきましょう。



2013/8/27(火)





夏休みをグダグダと過ごしていた私は、ふとカレンダーをみてそろそろ9月になることを知りました。



俺「今日は何日かな~・・・・・・・ファッ!?もう9月かよ!」


俺「そういえばまだ山に登っていないな・・・」



そう、今年はまだ一回も山に登っていないのです。

そして、9月に入れば梅雨前線が北上して雨が続きます。


これはヤバイと思い、いそいで天気予報を確認すると・・・



俺「え・・・・・明日以外曇りじゃん・・・」



俺「・・・」



俺「・・」



俺「・」






俺「よし!いくか!」




このとき夜の9時です。無計画登山にもほどがあります。

急いで、明日の分の飲み物と行動食(スニッカーズ)を買い込みます。


※まともな人はスニッカーズなんかを行動食にしてはいません









2013/8/28(水)午前0時




俺「寝れん」


まだ寝ていません。

当時は夜更かしをしまくっていたので寝ようと思っても寝れません。どうするの俺。


俺「というか雨ふってるな」


雨が降っています。


俺「明日の朝には晴れてるはず・・・そうだ・・・晴れてるはず・・・・・・・・・・・・」














結局寝たのは朝1時でした。

そして、おきたのは朝2時50分です。

今年初登山ということでとてもテンションがあがっているので大丈夫でしょう。



俺「足がもたつく」




大丈夫でしょう。





俺「頭がまわらんぞ」




大丈夫でしょう。







俺「朝飯食ったらゲロはきそうなんだけど」



きっと、大丈夫です。





朝食を食べ終わったらいよいよ父親の車で登山道に向かいます。







父親「なんか今日はいつものように走れないな」



俺「暗いからじゃない?」



父親「いや、仕事で徹夜しているからさ!HAHAHAHAHA」



俺「^^」



父親「事故ったらごめ~んちょ☆



俺「^^」











無事に登山口に着きました。


































真っ暗です。

そして、今日はヘッドライトを持ってきていません。

今日の装備はアクエリアス2L、コーラ500ml、三ツ矢サイダー500ml、おにぎり4個、

スニッカーズ2個、カッパ、地図、熊よけ鈴といった妖怪山を舐めるなジジイと遭遇したら30分

くらいおこられそうなくらいふざけたものです。一応これには考えがあってのことなのですが・・・





父親「そんな装備で大丈夫か」




俺「大丈夫だ、問題ない。」




いろいろと、だめな気がしますがきっと大丈夫でしょう。







4:35に登山口を出発しました。































なんかムカツク顔をしてますね。自分で撮った写真の確認をしているときにうっかり液晶を

殴りたくなりました。いま書いている最中に耐え切れなくなり殴ってしまいました。








登山道を歩き始めたのはいいのですが、ひとつ問題が・・・
































暗くてよく見えません。


足元もよく見えないので木の根に足を引っ掛けながら歩いていきます。

まだ暗いのでクマがいるかもしれないのも怖いですね。








































歩いているうちに夜明けを迎えました。


だんだんと森の中も明るくなってきていて、一安心です。


しばらく歩くと、登山道は林道に突き当たります。ここから少し林道を歩いていきます。


途中で数年前にあった土石流の痕跡を見ました。

































この写真では御神坂沢も水量はほとんど無いのに、こんなにも大きな岩が大量に散らばっていま

す。当時はどれだけこの沢が氾濫したのでしょうか・・・

この登山の数週間前に北東北は豪雨に襲われて紫波一帯が水没したりしましたが、

御神沢で氾濫した形跡はあまり見られません。防砂ダムの大切さがよく分かります。



しばらく歩いていくと、林道と登山道が分かれます。ここからが本番です。































豪雨の後、登山道がどうなっているかという情報がネット上にあまり無かったので不安でしたが、

水流で深くえぐられていて少し歩きづらいところがあるだけで致命的な決壊はありませんでした。







































しばらく歩いていると、森の中にも日差しが差し込むようになってきました。


気温が上がって汗をかいてきました。


今回の登山では初めてスポーツ用下着を使用しました。速乾性なのでそこまで熱くならない

はずです。




俺「熱い」




速乾性生地クンも上昇していく気温には勝てなかったよ・・・










































そこまで苦労せずにわらじ脱ぎ場に着きました。

まだまだ、頂上までは遠いですが結構楽に来れているので安心しました。



俺「なんだそこまで馬返しと変わらないじゃん」



俺「これだと余裕でのぼれるんじゃね?」
























































俺「ハア・・・ハア・・・・・・・辛い」


ごめんなさい。調子に乗っていました。最難関と呼ばれるコースをなめていました。


わらじ脱ぎ場から先は急な上り坂が多く一気に標高を上げていきます。








































どんどん道の状態も悪化していきます。結構足元も危なく、余計に疲れます。

無駄に有り余る体力に頼り、バシバシ登っていきます。











しばらくすると、一気に視界が開ける場所に出ました。
































真ん中の岩は実は大滝という滝で、時期によっては雪解け水が流れていて

クソジジイの放尿のように情けない感じで水が流れていますが、今回はどうでしょうか。













































流れていませんね。さすがに、もう夏の終わりなので雪解け水はないのでしょう。

ここで、3分ほど休憩をしました。



俺「コーラうめぇ!!」



俺「なんでジュースを持ってきてるんだろう・・・」



ここでようやくジュースを持ってきていることに自分自身で疑問を持ちました。






































大滝展望台から先も急坂が続いていきますが、大きな岩も混じり始めます。

全身を使って大きな岩を乗り越えながら進んでいきます。








































土が水でとてもえぐられている箇所もあり歩きづらかったです。

特にこの写真の部分は面倒くさかったです☆














しばらく歩くとついに・・・
































崩落斜面にたどり着きました。


ここから先が御神坂コースの最も難しい箇所です。


崩れやすい砂地なので慎重に登っていきます。



俺「とにかく気をつけないとな!」








\ズザザザザザザザッ/



俺「うおっ、滑り落ちていくぅぅうぅぅ!ウヒョオオオオオオオオオオオオオ!!!」



何回か滑りましたが、この場面は切り抜けられました。



































というか、上から見るとただの崩落斜面にしかみえませんね。


信仰登山されていた当時からこうだったのでしょうか?







この斜面を突破してもまだまだ危険な箇所は続きます。



































俺「ただの崖やん」







































俺「さっきよりもひどいぞ」



俺「なんか楽しくなってきた☆」



恐々として進んでいきます。


































御神坂ルートを開拓した人はどうしてここを通っていけると思ったのでしょうか・・・

やっぱり昔は崩れていなかったのでしょうか?



俺「ちょっと下を見てみよう」


































普通に滑ったら死にます。



俺「これもう崖をトラバースしてるだけじゃん」




そして、崩落地を突破した先で私が見たものは・・・






俺「ファッ!?」










































これまで以上の激しい登りです。



俺「ハアッ・・・・ハァ・・・・結構、きついな」


俺「どこまで登ればいいのか・・・」


俺「というか森林限界はまだか?」




俺「おっ!」






































ついに森林を抜けてハイマツ帯へと出ました!

山を登っていて一番好きなのがこの瞬間です。

一気に視界が開けて爽快感があります。






俺「よし!テンションもあがってきたしバシバシ登るぞ!!」



俺「・・・」


俺「ふくらはぎが痛い




夏休み中一切運動をしていないクズみたいな生活を送っていたため、ついにふくらはぎが

悲鳴を上げ始めました。




俺「若いしどうにかなるでしょ」


俺「どうせ、ハイマツ帯までくればあとすこしだs・・・・・・・・・ファッ!?

































俺「えっ、なにこれは・・・(困惑)」



俺「なんで岩に上方向の矢印が書かれているんですかねぇ・・・」



どう見ても左右から回り込んで登れそうな感じでしたが、あえて岩を登るように指示している

訳があるのかもしれないので岩をよじ登りました。


しかし、登った先では・・・


俺「普通に回り込んでよかったじゃん・・・」


普通に回り込んで登った足跡のほうが多かったです。








せっかく見通せる木がない標高まで登ったのですから、下の景色を見渡してみます。



































俺「おお!大分登ってきたんだな!」


自分が登ってきた距離を実感できて、充実感を得られます。

今回は画面中央に写っている沢の右となりの沢から登ってきました。













































そして、痛む足を必死に動かしながら登っていきついに陵線上へと出ました!

反対側の景色も見渡せます。


俺「FOOOOOOOOOOO!!!ウヒョヒョォォオオオイ!!」


俺「ん?そういえばまだ誰ともすれ違っていないような気がする・・・


どうやら8月の終わりにわざわざ北東北の2000M級の山に登る人はいないようです。

入山前に登山カードの記録を見てみたところ、一週間に一人登る程度のようです。





陵線上に出ましたがすぐに外れて、不動平までの最後の登りに入ります。




































俺「あと少しだ!」



俺「ん?」





































道、消失。


俺「ファッ!?」


俺「やべぇよ・・・やべぇよ・・・」


見た目は植物が茂っていて何も無いように見えますが、踏み跡は残っているのでそれに

したがって登っていきます。

結構背丈の高い植物も多く腕で払いながら進んでいきます。

それにしても、道が見えなくなるほど植物が生い茂るということは、相当この御神沢登山道は

人気が無いのでしょう。

腕で植物を払いながら進んでいくと、ふと有壁随道に行ったときの事を思い出しました。

↓そのときの記事
http://km66yun.blogspot.jp/2012/11/blog-post.html


このときは腕に多数の切り傷が出来ました。

今回は腕に傷をつけないようにして歩いていきます。







































そして、ついに鬼ヶ城分岐へと到着しました。

鬼ヶ城分岐からは八合目を見渡せます。




































去年の夏休みに登ったときに泊まった八合目避難小屋も見えます。

馬返しから登ってくると、七合目からいきなり植物が覆い茂り道も平坦になって印象的な場所です。





そして、視点を左へ向けると・・・



































岩手山山頂が目前です。まだ写っていませんがこの写真の奥に山頂があります。


不動平まで下っていきます。かなりの急勾配です。

すでに足は無理やり動かしているようなものなので制御不可能です。



俺「足が止まらない!ラメェエエエエエエエエエエエ!!!イキ過ぎィ!!!」


































無事、不動平まで下ってきました。

ここから、ラストスパートです。今回はすでに足が痛いので簡単な左側の道を登っていきます。









































ここまでの道のりが長かったため、もうあと少しという感じですが不動平から山頂までは

まだ200mの標高差があります。


俺「足が動かない☆」


それでも登ります。



































ついに鉢の部分まで登ってきました。



俺「風が強いな」


普通に直立していても風にあおられて動いてしまうくらいに強い風が吹いています。


そしてこの標高でこれだけの強風が吹き荒れているのでもちろん



俺「クソ寒い!!」



すでに手は冷え切ってかじかんでいます。



































俺「頂上は見えているのに足がががががが」


相変わらずふくらはぎが痛くて思うように進んでいけません。


俺「少しペースを落とすか・・・おっ、後ろから人に抜かれたな、馬返しからの人かな?」


俺「何歳くらいの人だr・・・・・・・・えっ」



80歳前後のお爺さんに抜かれてしまいました。


結構ショックです。


俺「夏休みに動かなかったツケか・・・」



俺「まあ、ペース配分も考えてなかったししょうがないか」



俺「あと少しだ」










そして、ついに・・・




































岩手山山頂に到着です!


俺「やったぁ!」








































しばらく、山頂で休んでいると先に山頂に到着していたお爺さんからトマトをもらいました。

そのときにちょっと話をしましたが、この時期だとまだ風が弱いほうらしいです。

後は、御神坂登山道の現状についても聞かれました。どうやら例の土砂災害以降登っていない

らしいのです。私は土砂災害前の御神坂登山道を知らないので今の状況が昔と比べていいのか

悪いのかは分かりませんが一応登れるということだけは伝えておきました。

わざわざ、こんな時期に若い人が登ってくるのは珍しいことらしくいろいろと

質問攻めを受けました。


そうして話し込んでいるうちに、結構時間がたっていてお爺さんは凍えてきたからと先に

降りていきました。





私も、もうしばらく休んでいると本格的に寒さで震え始めたので降りることにします。

夏休みで家に帰るときに本来登山で使うはずだったウインドブレーカーを寮に忘れてしまって

こんな有様になっています。


※まともな人は装備不足で山に登ってはいけません



































今回の登山は晴天に恵まれて、去年の登山では見られなかった絶景が目の前に広がります。

よく眺めながらゆっくりと歩いていきたいところですが、しかし寒い。








































俺「おお!すごく眺めがいいな」



俺「寒い!もう無理!



結局、寒くてどうにもならなかったため鉢を全部回るのはあきらめて途中から火口に入りました。




































俺「ああ^~火口の中は暖かいんじゃ~」


今でも火山活動中の火山なので当然風があまり入ってこない火口の中は暖かいです。






































登りと同じルートで下ってい最中にこれから挑む鬼ヶ城を眺めました。

岩陵地帯になっており、結構険しいです。

初めての岩陵地帯への半分の恐怖と半分の期待でテンションも上がってきます。

山頂にはたどり着きましたが今日の山歩きはまだまだこれからです。








































降りた後は、少し八合目周辺を散策します。

岩手山の八合目はほとんど山頂に近いにもかかわらず周囲を尾根に囲まれていて、

盆地みたいになっています。しかも、植物が生い茂っていてとてもきれいな場所です。

馬返しから登ってきた人たちはそれまでの荒涼とした溶岩流の砂地から一変してこの光景に

出会い、それ以外の登山道からは一気に尾根まで登った後に上から見下ろす形となり

どちらでも強烈な印象を与えてくれます。

この光景だけで岩手山が深田久弥氏の随筆「日本百名山」に登場したのもうなずけるほどです。









































八合目を散策した後はしばらく不動平で休憩をしました。

少しおなかがすいてきたのでスニッカーズを食べました。



俺「やっぱり、山で食べるスニッカーズは最高やな!」



いろいろと、台無しです。



休憩後、ついに鬼ヶ城へと挑みます。



~鬼ヶ城編へつづく~